行田西剣道部

令和3年(2021年)12月23日更新
創立年月日 昭和53年4月1日
会員数 合 計  6名
支部長名 本田 徹
稽古場所 法典西連合町会館
稽古場所住所 船橋市上山町1-69-28
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稽古日時 木・土曜日 20時〜21時半
支部連絡先 本田 徹

TEL:090-2902-4038
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行田西剣道部沿革

行田西剣道部は市剣連40周年誌に掲載いたしました様に、現在は大人のみで稽古を実施致しております。会員は少数でありますが、稽古の内容に於いては自分の目指す剣の道の探求と研鑽に励み、会員のみならず賛同される同志の方々の参加を得充実した稽古を致しております。我々の決定し実行したことが間違いではなかったと満足致しております。その成果は一人一人の努力にて関根氏、伊藤博氏[西部剣会長]七段、松本氏[芝山剣]小林氏[行田西準会員]田代氏、安宅氏六段、本田氏四段、岡本氏三段各氏それぞれ見事にご昇段され慶賀にたえません。これからも同士と共に心技一層の精進努力をして参りたいとおもいます。

私事ながら市剣連50周年に当たり少々愚見を申し述べたいと存じます。40周年誌に故兼松先生が市剣連創立当初より40年間の事は詳しく記述されておりますが、当時の方々の剣道によって青少年の健全なる育成と剣道を思う情熱は今の方々には理解できない程の思いがあったことは事実で有ります。本当に剣道による人間教育を真剣に考え実行されておりました。不肖私も昭和28年連盟発足と共に第1期生として道場春風館に入門し会員の一人として50年を歩んで参りました。当時の主だった方々の大半は故人となられ存命の方々の中でも剣道より離れて行かれ各界に於かれてご活躍されております。お会いすると今でも皆さんが自分の人生は当時の先生方の教えが今の自分を作ってくれたと言っても過言ではないと申します。市連盟最古参の者は残念ながら野田剣道教室所属の佐野竹雄氏と私二人きりになって仕舞いました。15歳より65歳までの50年は誠に長いようであり過ぎされば短い様にも思い唯々感無量なるものが有ります。剣道に於いて良く言われる言葉に『剣道は礼に始まり礼に終わる』であるならば最も大切にしなければならないのは今有る私たちが過去に対しての感謝が一番大切で有り必要ではないでしょうか、私たちも何時かは過去の存在となる身です。発足当初の先生方の中には○○流とか武徳専門学校でご修行された方々がおり礼儀作法については特に厳しく指導されました。私の脳裏に今でも残っている事は、嘘をつくな正直になれと言う一言で有ります。先ず剣道の技術的な事よりも人として正しく育て上げると支部紹介行田西剣道部100言うことに重点がおかれていたように感じます。先生方はきちっと一本筋の通った方々でした。考えるに現在行われている指導場所は体育館が大多数で有り道場としての場所よりもただ単に身体的機能の発達を目的としているだけの様に思われ残念でなりません。場所はどのような所であれ指導者と学ぶ者の心一つでその場所が道場と成りうると思います。又師弟関係についても今は唯剣道の技術的な事ばかりで本当の師弟関係は皆無に等しいと思います。それらは唯剣道技術を教える人と言うだけで有ります。師弟と言う関係が有れば師は弟子に対し身命をなげ打ってでも事に当たりその弟子の一生を正しく善導することが出来ると思います。弟子も又師に対し絶対的な信頼を寄せることが出来ると思います[現在では無理なことでしょうが]滅び行く現代剣道[中山秀夫著]の中の一文を載せてみたいと思います。

剣を執らぬ達人[腹の人間を作る]有り余る程の才能を持ちながら、名利に恬淡すぎて、終生、低い地位に甘んじ世に甘んじ、世に埋もれてしまって、毫も侮ゆるところがなかった。こういうかくれた人格者がある。それは楠 正位先生である。先生は武徳会の創立に奔走し、武術教員養成所( 武術専門学校)の所長となり、真の武道家養成のために努力を尽くされた。これは、特筆大書すべき事柄であるが、悲しいかな、先生の大きな功績は、世間にあまり知られて居ない。

『剣は人である。武術は、単に腕力を鍛えるに止まるものではない。腹の据わった人間を作るにある』これが先生の喝破せられた理想であった。又先生は『お前達は、人爵を尚ぶか、それとも天爵を尊しとするか、若し、この中に人爵を望むものがあるなら、今日限りここから出て行ってもらいたい。天爵は天恵のもので無形であるが、如何なる時にも、身から失われることはない。お前達は、その天爵を欲する人間になれ』と機会あるごとに訓され通したものであった。先生の薫陶を受けた人の中で、明治、大正、昭和の各時代を通した大島、斎村、持田、中野の諸範士は皆愛弟子であったと載っております。何処の世界に於いても人が集まれば派閥が出来、大きくなれば成っただけ地位や名誉が欲しくなり、段位が上がれば人が急に悪く変わってしまうのを50年の間見ていますと人間と言うものは情けないものとつくづく感じます。この様な俗世の中で剣道の中から少しでも人格の完成に向かって行くか楽しみでもあります。現社会の世相を見るに日本人全体が恥も矜ももっていないが如き状況の中で、武道を志す者として剣の道を通して恥や矜の持てる人物( 自分も含め)の育成に心がけて行きたいと存じます。又総ての事柄に於いて、己の出処進退を明らかにする事が出来る潔い道を目指したいと存じます。又50年の中で一番感じていることは特にこの不況の中自分の天職を充実させ家庭が円満でなければ、正しい道も楽しく立派な剣道も求め得られぬと言うことでした。その為にはのこされし剣道人生を一日一時たりとも貪る事無く精進努力したいと存じます。
          平成11年(1999年)4月 富岡武彦記

 

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